ミルモでポン!長編

□いっぱいいっぱいでした
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「何度か見かけた事はあるのでございます」

サスケたちとは別のクラスでも、同じ学年なのだ。
必然的に同じ場所に居合わせることもあるだろう。

少年が口を開く

「こいつらの師匠ってオマエなの?」

年上に対する喋り方とは言えない口調だった。
少年はヤシチを睨んだままだ

「あ、ああ……そうだが…」

動じながらそう返すヤシチに、少年はため息はついた。


「おまえ一体何しに来たんだぜ?」

「観光なのら?」

「そんなもんかな」

同級生の質問を受け流したあと、ヤマネを睨みつけた

「……っ?」

恐怖を感じたヤマネは、ヤシチの後ろにそっと身を隠した。

鋭い視線はヤシチへ移る

「さっきこいつらが言ってたけど、一応名乗っとく。
オレはカラス。見ての通り妖精忍者だ
……アンタんトコの弟子とはただのクラスメイト。
友達でもない、知り合い以下だ。そこら辺勘違いすんなよ」

怖い顔を1mmも変えないで淡々と述べた。
失礼な物言いにサスケたちはムッとする

「……せ、拙者はヤシチだ」

知り合い以下だろうが敵だろうが、サスケたちのクラスメイトだ
よろしくな とつけ足して、とりあえず笑ってみた

笑うヤシチに対し、愛想がないカラスは

「………………………あそ」

何が気に入らないのか、眉間にシワまで寄せた。


「……………そいつは?」

カラスはヤシチの後ろのヤマネを見る
指定されたヤマネはおず、と出た

さっきよりは怖い顔をしてないカラスに、少しホッとするヤマネ


「私はヤマネと申します……
観光ならばお車に気をつけてくださいでございます」

言ってから余計な一言だったかもしれないと口をおさえた。
でも、カラスは相槌をする

「……ん」

その時確かに、表情が柔らかくなったのが見えた。


「じゃ、オレ行くわ。じゃなー」


カラスはそう言うと、うちわを取り出して飛んで行った。
飛ぶスピードはやたら速かった。



「アイツ何しに来たんだぜ?」

「わかんないのら〜」



 
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