ミルモでポン!長編

□それは、つまり
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「おはようございます、ヤマネさん……」

リルムがヤマネに挨拶をする。

「リルム殿!これは一体……」

「朝目覚めたら、みんな様子おかしくなってんだよ」

リルムの代わりにミルモが応える

「ミルモ〜〜」


……楓に抱かれながら。

結木が叫ぶ。

「皆よしてくれ!俺は南が好きなんだ!」

「結木くん邪魔しないでよ!」


「気味悪くてたまんねぇよ」

「ミールモっ♪今日、帰ったらチョコケーキ作ってあげよっかー?」

「チョコケーキ!?わーい!わーい!」


「妖精は通常みたいでしゅね」

「誰かが魔法でイタズラしたのですわ、きっと!」

「そうでございますね…」

なんとか桃を戻さなくては、と意気込むと、ずっと黙っていたヤシチと目があった

ヤシチがチョイチョイ、と手だけでヤマネを呼ぶ

近づくと、ヤマネにしか聞こえない声量で

「ユミヤの仕業だ」

あっさり種明かしした

「ユッ!………ミヤ殿、の?」

あっさりさとは裏腹にすごく重大なことを知らされ動揺する。
何で分かるんだろう。
聞きたくても聞けなかった。



何で分かるんだろう。
聞きたくても聞けなかった。



何故なら、何者かの気配を感じたからだ。
ヤマネは、条件反射で振り返り際に手裏剣を投げる。

手裏剣は木の茂みへ真っ直ぐ飛んでいった


ただ者ではない雰囲気を感じた。きっと避けられている。


ヤマネは、正体も分からぬ相手の行動を待った。

ガサッッ

木の茂みからひょこりとユミヤが顔を出した

「ユミヤ殿!!」

しかも頭に手裏剣刺さってる

「なにするのね!このデストロイ!!」

手裏剣を抜いてから、ヤマネに怒りの言葉をぶつけた

「で……ですとろい…!!」

ガーンという効果音と共に、ヤマネは復唱する


「ユミヤ!拙者たちのパートナーをこんなにしたのはキサマだろ!?」

ヤシチがちょっと遠くにいるユミヤに向かって話し出す

「アイツの仕業か〜〜
とりあえず、チョコケーキ食うまでは
もうちょっとこのままでもいいかな〜」

「お兄たま楽しんでるでしゅ」

ユミヤは茂みから全身をだした。
矢立を背負っている


「これはこれは昔どこかで見たような気もしなくはないヤシチくん。
どうして私のせいだと決めつけるのね?」


「このような忍術を使えると里では評判らしいではないか!」

「さすが私。人間界にいる君にも噂がくるとは
ただし……」


ユミヤはそこまで言うと、どこからともなく弓を出した。
攻撃してくるのか、と身を構えるミルモたち。

ユミヤはニヤリと笑って言った。



「忍術なんて古くさいモンじゃないのね」



 
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