KND短編

□そんなこと、思う
1ページ/3ページ


昼下がりのツリーハウス。
三分前に、ナンバー1はリジーとデートにでかけた

「ナンバー4〜 今度一緒にお買い物しましょ!
レインボーモンキー♪レインボーモンキー♪」

アタシは、ナンバー3の明るい笑顔をぼんやりと見ていた。
すると、ナンバー4はハッ!と笑う

「誰が行くか!
あの時を忘れたわけじゃねぇぞ!
右を見ても左を見ても、女の子女の子女の子!
あんなのもうたくさんだ!」

昔を思い出すように言うナンバー4。
以前にも似たようなことがあるのだろうか。
ナンバー3のきょとんとした顔が可愛かった。

「ひどい!別にいいもん!
ナンバー5と行くから!」

「へ!?」

突然話題をふられ、アタシは目を丸くした

ナンバー3が、ソファーに座って雑誌を読んでいたアタシに近づく。

「……っ」

顔が火照るのを感じ、目の前の黒髪の少女から目をそらす。

「女の子同士なんだから、きっと楽しいわよ!
ナンバー4ったらダメね!
ぜんぜんわかってない!」

「わかりたくもねぇわ!!」

「ね!ナンバー5!」

近づいてくることさえ、いっぱいいっぱいなのに
追撃をかけるように顔を近づけられる

「いきましょ!」

この笑顔に、何度感情を揺さぶられたことだろう

「いや……アタシは……いいよ
ナンバー4と行きな」

だめ。
それ以上、近づかないで。

己の心臓の音で、かき消されそうになる拒絶の言葉。

「行かねぇ!オレは行かねぇ!!」



『女の子同士』だからこそ だめだ こんなの
気持ちのまま 自分勝手に行動したら
この子を傷つけてしまう
お願い お願いだから これ以上

「近づかないで……っ」


気づいたときには遅かった。
無意識に出た小さな小さな声は、
ナンバー3の耳に届いていた。
急いで訂正しようとするが、どう言えばいいのかわからない。
第一、なにを訂正するというのだ……

ナンバー3はアハハと乾いた笑い声をあげたが

「ご、ごめんねナンバー5!
ごめ………」

じわ、と目に水がたまっていく。

「(な……泣かせてしまった!)」

すきな子を泣かせるなんて最低だ。

「ご……ごめんね、ごめんね」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ