KND短編

□アビずきん
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昔々、あるところに
いつも赤い帽子を被っている女の子がいました。
彼女は、みんなからアビずきんと呼ばれています。
何故ずきんなのでしょう。永遠の謎です。

「おい。アビずきん」

呼ばれたアビずきんは、アイスの歴史と表紙に書かれた本を閉じます。

「なに?ママ」

ママはとってもクールなサングラスをかけています。
頭はツルツルキランです。

「おまえ、田舎の婆ちゃんのとこ見舞いに行ってこい」

「見舞い?なにかあったの?」

「チキン症にかかった」

「ティーンエイジャーめ!!」

アビずきんは怒りの炎に包まれました。火事にならないか心配です。

「ティーンエイジャーの方はママにまかせろ。
それより、アビずきんは婆ちゃんの様子を。」

「了解、ママ!」

やたらとハキハキした親子ですね


 

ココナッツチョコバーとコーラをカゴに入れると、ママが言います

「いいか。外は危険がいっぱいだ。
森では獣も出ると聞いている
気をつけろよ」

何故、娘にそんな危ない場所へ行かせるのでしょう

でも、アビずきんはフーン程度で終わらせ
るんるんで家を出ました。


「やあアビずきん どこへ行くというのかね?」

少し歩いたところで、町はずれの運び屋に会いました。

「こんちは、運び屋さん
今からお婆ちゃんの家へ行くとこなんだ」

「え?うちのお婆ちゃんに?」

「違う。タピオカ好きじゃない方だよ」

「……まずい料理つくr」

「違う!アタシのお婆ちゃんっ!」

アビずきんが怒鳴ると、運び屋さんは合点ついたのか
両手をポンと合わせました

「ああ!なんだ、そう言ってくれればいいのに」

「……」

「乗ってく?送ってあげるよ」

運び屋さんは、アビずきんも見たことがない車を奥から出しました

「ボクがつくったんだ」



運び屋さんは運転上手で、
快適にお婆ちゃんの家へと近づいていきます

そうなる予定でした。


突然、車が止まってしまいました

「どうしたの?」

「わかんない。最近調子悪かったからなぁ」

「ティーンエイジャーめ!!」

アビずきんは根拠もなくティーンエイジャーに怒りました。
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