KND短編

□私ら家族!
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ナンバー5が1人、自室で雑誌を読みながらくつろいでいたら

突然、扉の向こうからバタバタと騒がしい音がすると思ったら、

その扉に激しくノックされた。

「もううるさいな。誰?」

返事をすると、勢いよく開かれた扉から入ってきたのは

「ナンバー3?どうしたのさ?」

ナンバー5の目の前で止まったナンバー3は目にみるみる水がたまっていき、

「うえぇえーーーーーん!!!!」

泣き出してしまった。

かえって清々しい泣き声だ。
でもさすがにうるさいし、ちょっと心配なので、ナンバー3が悲しんだ経緯を訊ねた。


「ママーー!!
弟のワラビーがいじめるのーー!!」

「ナンバー3頭打った?」

――――

ナンバー5はナンバー3を連れて
ナンバー4の部屋へ向かった。

そこにはナンバー4だけでなく、ナンバー2もいた。

「あ、ママだ」
「ママかよ」

「二人も頭打ったの?」

冷静なナンバー5に、何がおかしいのかクスクスとナンバー3が笑い出した。

「今ね、今ね!おままごとしてたの!」

「おままごとだって?」

「私が長女で、ナンバー2が長男。ナンバー4は次男なの〜!
そんで、今ナンバー4とケンカしたの!」
なにが彼女をここまでハイテンションにさせるのだろう。
産まれた途端から頭をぶつけたのだろうか。

「……で、アタシがアンタらのママ役ってわけね……」

あれ。
じゃあ、我らがリーダーは……
ナンバー5は口に出そうとしたが、できなかった。

何故なら、新たに入室してきた者へ意識が向いたからだ。

「みんないないと思ったら……
なんでナンバー4の部屋に集まってんだ?」

「パパだ!」
「パパが来たぞ!!」
「いえー!パパだー!」
「やっぱパパなのか……」

「お前ら全員頭でも打ったのか?」
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