KND短編

□隠されると逆に気になるんだって
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「――あたしの部屋に入るときは必ずノックしてよね!!」

いつだったか、ずっと前にそんなことを言われた。
そしてオレは理由なんて考えずにそれに従っていた。

しかし今日。朝飯食ってる、今。ふと思った。

「なんでノックしなきゃいけねえんだよ?」

「……は?」

ナンバー5はスプーンを動かす手を止め、オレを凝視した
「勝手に入っちゃダメな理由だよ!何かあるんだろう!!
オレは天才だからな!」
そう言ってオレはナンバー5の距離を縮めた。
でもナンバー5はオレをキッと睨む
「もしもし天才くん?テーブルは乗るもんじゃないでしょ」
そうか、白状しないつもりか
「ハッ!言わなくてもわかるぞ!なんてったってオレは天才だからな!
おまえ、部屋にこもってるとき日記書いてんだろ!」
「はあ!?なんでそうなるの!」
焦ったか?
「さては図星だな!」
「んなわけないでしょ!」
すると、今まで静かだったナンバー3が両袖を上げてパタパタと上下に降る。
「キャー!ナンバー5のポエム読みたーい!」
「ちょっ、なんでポエムになった!?」
なるほど、ポエムか!

「オイそこ!なに納得したような顔してんだ!?」
「確かにそれは見られたくねぇよな……」
「勝手に決めんなぁぁ!」
そこまで言うんなら、
「じゃあ言ってみろよ!
いつも部屋にこもってるとき、
なにやっているのかを!」
「勉強やってるんだよ!!」

べ ん き ょ う ?
間髪入れずに答えやがった……
「べ、べんきょー?
宿題じゃなくて?」
「勉強」
ゆっくりと頷くナンバー5を見て
ナンバー3のテンションはみるみる落ちていくのが分かった
するとその場でナンバー3同様
静かにしていたナンバー2が口を開く
「そんなことだろうと思った。
ナンバー5がポエム書いてるとこなんて想像できないもん」
「ちょっとそれどういう意味?」
ナンバー5が黒い笑顔をナンバー2に向けた。
何が気に触ったんだ?
「でもさ
別に勉強してるだけなら
ノックにこだわらなくったっていいじゃない?」
そこ!そこだよ、ナンバー3!
危うく本題を忘れるとこだったぜ!
「そ、それは……」
はいキタ!口ごもったよ!キタんじゃねえのかこれ!

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