ミルモでポン!短編

□スペードじゃないよスピードだよ
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「今日の茶葉は新鮮るらら〜」

町で買った茶葉は新鮮だということが
よく分かる歌をうたっているのは、カラクリ人形のケケレ。
喫茶店に住み込みで働いている。

今日も、来るかわからないお客さんのためにお茶を用意するようだ。

「はやく帰ってお茶淹れましょう〜」

早く帰宅しようとして、転ばないようにね。

「あれ?」

木で出来てるようには全然見えない足が、サントノーレの森の前でピタリと止まった。

ケケレの視線の先には、誰もが知ってる5人組。

「今日こそミルモを倒すぞー!」

「「「「倒すぞー!!」」」」

「あと婚約者とか弟とかヤシチも倒すぞー!」

「「「「倒すぞー!!」」」」

今日も相変わらずの黒ずくめなワルモ団。
誰もがウザがるワルモ団。
誰にも相手にされないワルモ団。


しかし、ケケレはイチローから放たれた名詞に反応した

「ヤシチさん…!?」

ケケレの顔がサッと青くなった。

「な、なんなんでしょう、あのひとたち…!?
いかにもワルっぽい感じがします…
ヤシチさんを倒すとかなんとか……」

ケケレにとってのヤシチは、初めて自分のお茶を飲んでくれたひと。
そして、淡い想いを寄せるひと。



「どど、どうしましょう……」

ワルモ団がどんなに阿呆か知らないケケレは、どうすればいいか慌てる。

「と、とりあえずヤシチさんにこの事を伝えなくては……
あっ、ワタシケータイ持ってない!
ヤシチさんのいる所…、知らない!!」

そうこうしてるうちに、ワルモ団はうちわを取りだし、どこかへ飛んでいく。

「はわっ!?ああぁ、どうしましょう、どうしましょうあわわわわ……」

新鮮の茶葉をエプロンの中にしまい(しまえるのが妖精クオリティー)

うちわを取りだしてワルモ団の後をつけた。


 
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