ミルモでポン!短編

□お見とおし
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「ふんっ!これであたちの28勝目ね!」

パピィが舌足らずな言葉を目の前のムルモに伝えた。

ここは住田の家。パピィのパートナーの住田は現在学校だ。

「そしてムルモ!アンタはこれで28敗目よ!」

二人は仲良くババ抜き中。
そして今、28回目の勝敗が決まったところだ

「きーっ どうして勝てないんでしゅかぁぁ〜〜!」

「ムルモが弱いからでちゅ!」

「ぐぐぅうっっ……!!」

訂正。
そんなに仲良さそうじゃなかった。

「もう一回でしゅ!!今度こそ、このボクが勝利を掴むでしゅ!」

ムルモが息を荒くして、28回目の台詞を言った。

「何度やっても、アンタが掴むのはババなのよ!」

二人の睨み合いが絡み、バチバチと音をたてて火花が散った



数分後。




「あたちの29勝目!」

そこには、帽子のうさ耳を大きく揺らして喜ぶパピィと

「何故……」

一枚のババを持ったまま、コテンと倒れるムルモの姿。

「ムルモ〜?まだやるのかしら?」

「……パピィ。イカサマしてるんじゃないんでしゅか?」

ムルモの低い声にパピィの体がピクリと動いた。

「イカサマ?例えば?」

パピィが質問をする。
ムルモもそこまで考えていなかったらしく、少し間をおいてから言った。

「カードに細工したりとか?」

「ぷっ あははははっ!
バッカじゃないの?」

笑い出した。そして罵倒してきた。
パピィは腹部に両手を当てながら


「このトランプはムルモが持ってきたのよ?細工する暇なんかないわよ!」

てゆうか細工することさえしないわ!と付け足してから笑い転げた。

その様子にムルモは耐えられず、パピィを怒鳴った



「30回目の勝負でしゅ!!」

 
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