ミルモでポン!長編

□初心者にも優しい弓の使い方
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二階の妖精たちは何事もなく粛々と授業を受けていた

さきほどまでいた階は、保健室や体育館など除けばサスケたちのクラスしかない。

その教室が全滅(?)なのだから、次の教室へ向かったはずだ。

まぁペータたちは、体育で外に出ようとした時に運悪くユミヤに会ってしまったのだろう
恨むなら時間割りを恨んでくれよ



扉の隙間から静かに覗いてたヤシチとヤマネ


「このクラスはまだ無事のようだな」

「そうでございますね」

「みんなを逃がした方がいいんじゃないでしゅかね?」

触角を揺らしてムルモが言った。

「みんな学校の外に行ったら、標的をなくしたユミヤも外にでる。
そしたらまた捜さなくてはならんだろう」

聞こえは悪いかもしれんが、こいつらにはライオンを呼び出す餌になってもらう
そう付けたし、ヤシチは扉を静かに閉めた。

「オレらがゼッテー捕まえるからだいじょーぶだよ!」

フンッと鼻をならすミルモ
この自信はどこから来るのだろう。


ヤシチたちは隣の教室も見てみるか、と歩き出した。

ここら一帯は静かだ。

待っていれば、そのうちユミヤが現れるかもしれない

作戦を練っているヤシチの耳に
いや、その場にいた全員の耳に騒がしい声が届いた。

後方へ振り返り、ダッと走り出す。
さきほど無事を確認した教室。

近づいていくと、キャーとかウワーとかやめろーとか好きだーとか
混沌とした声が聞こえる。



バタバタ教室に入ってすぐ目に入ったのは、
教卓の上で名簿を見ながら、矢の先端のハートに、マジックで何かを書いてるユミヤがいた


「ユミヤ!!」

ヤシチの声にユミヤはハッとして、でも表情は変わらない

「え?あぁ、こんちは」

「こんにちは〜」

リルムがニコニコと挨拶を返した。

「何してたの?遅かったね。
おっ、他のクラスの名簿まで見つけちゃったーっと」

その時、まだ無事な1人の妖精が、魔法で攻撃を仕掛けた。
植木鉢がユミヤ目掛けて真っ直ぐとんでくる。
でもユミヤは少ない動作でひょいっと避けた。


マジックを置いてから、何かを書いたハートの矢で弓構えをした。

右手を離した瞬間、矢はヒュッと風を切る

そして、魔法を使った妖精のおでこに綺麗にストッと当たった



 
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