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□ぼくたちのペースで
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「髪の毛よし、メイクよし、服の汚れも、よし!」

びしりと手鏡を見て指さし確認。何故私がこんな乗車点検みたいなことをしているのかと言うと、今日は付き合って1ヶ月のか、彼氏の宮地くんと初デートだからで。
この日の為に3日前から、クローゼットにある服をみんな総動員して着ていく服を選んだのだ。
昨日だって楽しみすぎて全く眠れなかったし。
そして遅れていくのは失礼だと思い、早めに家を出たら30分前に来てしまってた。
…どれほど楽しみにしてるんだ私は……まるで遠足前の小学生だな、なんて考えをぶんぶん首を振って掻き消した。

「けど、もうすぐかな」

待ち合わせの時間までまだ10分も前だけど、30分前からいた私にとったら“もうすぐ”の域に達していた。待ち合わせに指定していた駅の大きな時計の下で、少し冷たくなった指先に息をはいた。

「早瀬!わり、遅れた」
「あ、宮地く、ん」
「早ぇな、待たせて悪い」
「ううん!張り切って早く家でちゃって!」
「そっか、はは、早瀬らしいな」
「なにそれ」

うわ、うわ、うわ!宮地くん私服超かっこいい!制服とかジャージとかユニフォーム着ててもかっこいいのに、私服着てたらもうモデルさんみたい!かっこよすぎてもう直視できないレベルなんですけど…。し、心臓がうるさい!

「じゃあ、映画館だっけか、行くぞー」
「う、うん!…あ、のさ、宮地くん!」
「え、何?」
「…っ、私服、かっこいいね!」
「……」
「……」
「…お前、無自覚とか…」
「えっ」

勇気を出して言ったものの、宮地くんはそれを聞いたらへなへなと座り込んでしまった。あれ、どうしよう、気に障ったのかな…。

「あの、宮地くん、だいじょうぶ?ご、ごめんね」
「あああいい、別に早瀬は悪くない」
「えっ」
「…なんつうか、その、俺ら初デートなわけじゃん」
「う、うん」
「だからさ、緊張してんのばれんのハズいから、余裕あるフリしたくてお前に可愛いなとか言いたかったんだけど恥ずかしくて言えねえし」
「…へっ、か、かわっ!?」
「…そうやって悩んでたらお前は平然と言いやがって…」
「み、やじくん」
「…あー、かっこわりー…」

そう言い宮地くんは口許を手で覆って下を向いてしまった。下を向く直前頬 未琴 ピンクに染まっているのが見えた。
…宮地くん、そんなに私の事を考えてくれてたんだ。

「かっ、かっこわるくないよ!」「…え」

思わずそんな言葉が口に出た、恥ずかしいのも承知で全て教えてくれた宮地くんに、どうしようもなく愛しさが込み上げてきて。

「わっ、私なんてこの日の為に、3日前からクローゼットひっくり返して服選んだんだよ」
「…3日前…」
「うん!き、昨日だってね、楽しみすぎて全然寝れなかった!クマ、隠すの大変だったんだよ!それにね…」
「…ぶっ」
「…なっ!なに笑ってんの!人が頑張って話してるのに!」
「…早瀬が俺に気をつかうなんて100年早い、轢くぞ」
「なんでっ?!」

薄く笑った宮地くんは立ち上がってぐしゃぐしゃと私の頭を撫でてくれた。一生懸命セットした髪型は崩れちゃったけど、なんだかとても嬉しかった。
あとね、凄く小さい声だったけど「可愛いんだよバカ」って確かに聞こえたんだ。







岡さま、素敵な小説をありがとうございます!せっかくすぐに頂いたのになかなか載せることが出来ず申し訳ないです(・ω・`)

宮地さん男前!私、頭を撫でられるシチュがものすごく好きなんです。初々しい感じもまたたまらないです(´∀`*)

本当にありがとうございました!!
これからもよろしくお願いします。


陽菜

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