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□共鳴
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「なあ」

「なんですか」

「暇」

「そうですか」

「それだけ?」

「今いいところなんです」

「さっきからそればっかりじゃねーか」




珍しく部活がオフになった今日は久しぶりにオレんちでデート。
それなのに目の前のコイツときたら、続きが気になるからと一人で読書を始めやがった。
しばらくは文字の羅列を追う真剣な瞳や、知的さを助長させる眼鏡をかけた横顔、ページを捲る細い指を眺めていたけどそろそろ限界。

好きなヤツといんのに放置されて黙っていられる程、オレは大人じゃねぇんだよ。




「未琴」

「なんです……あっ」

「これ没収な」

「返して下さい」

「駄目。てか、やっとこっち向いた」




名前を呼んでもこちらを見ない未琴に痺れを切らし、オレは本を取り上げるという強硬手段に出た。
届かないように本を持ち上げれば、当然取り返そうと躍起になって手を伸ばす未琴。
1時間ぶりに正面から顔を覗くと、それに気付いた未琴はすぐに視線を逸らした。




「近いです、宮地先輩。離れて下さい」

「やだ。つか何で距離置こうとすんだよ。理由によっちゃマジで轢くぞ」

「て……から」

「は?聞こえねー」

「……だって宮地先輩といるとドキドキするから!!」




突然大きな声をあげてキッとオレを見た未琴の顔は真っ赤に染まっていて、睨んでいるつもりのそれはただの上目遣いにしか見えない。

それより、え……今なんつった?
ドキドキするとか……じゃあ本読んでたのも照れ隠しってことか?
やっべ、どうしよう超可愛い。




「先輩、顔真っ赤……」

「うっせー、見んな刺すぞ」




自分でもわかる程熱の集まった頬を指摘され、更に熱くなるのを感じた。
オレはそれが悔しくて本を後ろに置くと小さく反撃。

第一、そろそろ我慢の限界だ。




「ああっ!眼鏡取らないで下さいよ」

「邪魔だろ?コレ」

「え、何に……んっ」

「……キス、すんのに」




驚きで固まる未琴を抱き寄せてさっきよりも長い口付けを落とす。
慌てて目を瞑り、オレの服の裾をちょこんと摘む姿がなんとも初々しくて、愛おしい。







(みや、じせんぱっ……くるし、です)(あ、わりぃ)(優しく未琴を抱きしめたら)(二つの鼓動が重なった)



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