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□責任転嫁
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「あの……翔、くん?」

「何だよ」

「その、退いて欲しいなぁ……なんて」

「やだ」

「え……」




私に馬乗りになった翔がするりとリボンを解いたと思ったら、次はボタンに手を掛け始める。
普段の翔からは考えられない状況に、どうしてこうなったのかと私は頭をフル回転させた。

どう考えても私は翔のベッドで雑誌を読んでいただけ……のはず。




「先に言っとくけど、未琴のせいだかんな」

「う、ん?」

「そんな短いスカート穿いて、俺のベッドに寝転がって……。お前、誘ってんだろ」

「え、ちがっ…………んっ」




私の制止の声も届かず、翔は自分の唇を私のそれに重ねた。
たった一瞬だけの口付けの後、私の耳元に唇を寄せる。




「未琴に欲情したから責任取れよ」




いつもより低く、少しだけ掠れた翔の声に私は抵抗するのをやめた。

再び二人の唇が重なる。
いつの間にか後頭部に回された手に、さっきよりも長くて甘いキス。
片手で器用にも太ももを撫でられてゾクリと身体が震えた。




「んん……っはぁ」




不意に、翔の舌が頑に閉じる私の唇をなぞる。
驚いて薄く開いてしまった唇を割って、翔はすかさず舌を捩じ込んできた。
必死にもがく私のそれをあっさりと絡めとり、執拗に攻め立てる。
飲み込めなかった唾液が顎を伝って流れ落ちた。

限界を迎えた私が震える手でなんとか翔の服を掴むと、ようやく唇が離された。
繋がった銀を舌で舐めとる姿は何とも色っぽい。




「……いい加減、息の仕方くらい覚えたらどうだ?」

「じゃ、じゃあ……しょ、うがっ、教えてよ」

「んー、じゃあいいや。必死なお前見れなくなるのイヤだし」

「え……っあ!」

「それより、続き……シようぜ?」







(この後、テーブルの上にウイスキーボンボンの包み紙を見つけたのは別の話)

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