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□神宮寺くんの秘密
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「やあ、未琴。今日も麗しいね」

「おはよう、神宮寺。貴方は今日もだらしがないわね」

「相変わらず手厳しいな……。これはオレのファッションだよ」

「ああ、そう」




朝から色気全開な神宮寺がいつものように話しかけてきた。
何でも、あの格好は女の子へのサービスらしい。
私としては目のやり場に困るから止めて欲しいのだけれど。
それを神宮寺に伝えたら、きっと笑顔でからかってくるから絶対に言わない。

服装と言えば、前々から気になっていたことがある。




「ねえ、神宮寺」

「なんだい?レディから話しかけてくれるなんて嬉しいな」

「神宮寺ってネクタイ結べないの?」

「…………は?」

「だって、私一度も見たことないもの。貴方がきちんとネクタイをしているところ」




笑顔のまま固まって何も喋らない神宮寺。
え、ちょっと図星なの?止めてよね。




「結べない……って言ったら、未琴が結んでくれる?」

「な、に言ってるの?」

「そうしたら少しはオレを見て話をしてくれるかなって」




そう言って笑う神宮寺には、私の考えなどお見通しだったらしい。
恥ずかしくて顔も見れないなんてどこの小学生だと、自分でも呆れるけれど。




「…………シャツのボタンは第2までが絶対条件よ」

「OK。じゃあ明日からお願いしようかな」




なんか上手く言いくるめられた気がするのは気のせい……じゃないはず。
まあ、貴方に近付く第一歩になったから良しとしましょうか。







(翔、トキヤ)(なんだよ)(どうかしましたか?)(ネクタイ結ぶの練習させて)(は?!)(私は構いませんよ(レンのため、ですかね))(おっ俺だっていいぜ)(ありがとう)

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