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□第1章
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…2人が去り、部屋をまた静寂が支配した。
2人が出ていった窓を頬杖を突きながらしばらく眺めていたセルアが、さてと…と立ち上がった。
「"嵐"も過ぎたことだし、テレミラ様の所へ行くわ」
セルアは机の上の大量の書類を抱え上げた。
が、あまりにも量が多いため、抱え上げた途端、セルアの視界を書類が塞いでしまった。
シイグからはセルアの顔が抱えた書類で全く見えなくなった。
しかしセルアは気にすることなく、テレミラの部屋へ向かい歩きだす。
見えているのか見えていないのか判別することすら出来ない。
しかし部屋を出ようとしたとき、シイグが近づいてセルアが抱える書類の4分の3を取り、自分で抱えた。
「ちょっと、シイグっ」
セルアから書類を取ったシイグはすでに歩きだしていた。
私は大丈夫なのに――とセルアは低くなった書類を見て呟いた。
置いてくぞ――と先に行ったシイグが立ち止まり、セルアを振り返る。
セルアは顔を上げ、また歩きだしたシイグを追いかけた。
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