常闇の光

□心の監獄
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「弥槻、今日はどんな曲を聴かせてくれるんだ?」
「…………それが…。
すいません…、今少しネタ切れ状態なんです…。」


弥槻がシュヴァーンにピアノを聴かせた日から、彼は毎日のようにピアノをねだった。
弥槻もそれに応えようと、1日1曲は新しい曲を弾いていたのだが…。

それが10日も続けば、さすがにレパートリーも尽きてくる。

「…そうか…。
じゃあ、リクエストするから、その曲を聴かせて…―。」


―…ピンポーン…


シュヴァーンの言葉を遮ったのは、来客を伝える無機質なチャイムだった。
どうしたものかと家の主を見れば、楽譜を抱えた弥槻の手は震えている。


―…ピンポーン…


幾度となく繰り返されるその音は、不穏な空気を伴う何かの襲来を告げる警告音のようだった。






心の監獄
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