風の螺旋階段

□Episode06
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「何よりまず、この扉だな。」

遺跡の入り口から戻ると、広間の奥にある扉の解除方法を探し始めたスレイとミクリオ。
二人は注意深くあれこれ探ってはいるが、扉には手掛かりは無いようで、揃って頭を捻っている。

「それ、全然開け方分かんないんだよね。
どうでも良いから放っといたんだけどさ。」

そう言いながら近付いてきたのは、明るく動き易そうな服装に着替えたロゼだった。
ルミエールがもう大丈夫?と訊ねれば、忘れる事にした!と元気に答えるロゼは、未だに考え込んでいるスレイに目を向ける。

「開きそう?」
「どうかな……、ちゃんと調べてみないと。」
「そう。」

そう頷きながら、ロゼはこちらを……、スレイをじっと見ている。
視線を感じたのか、スレイが怪訝そうに顔を上げた。
何か用か、と訊くスレイに、ロゼは肩を竦める。

「別に、ただの導師観察だから。
気にしないで続けて。」

そう言ったロゼは扉から少し離れ、その言葉通りスレイを興味深そうに観察していた。



ティンタジェル遺跡群
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