風の螺旋階段

□Episode03
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「戦争が始まるのか!」
「マーリンドの者達には、君が報せてくれ!……自分は都に……、」
「怪我してるのに!無茶だよ!!」
「だが!一刻の猶予も無いんだ!」

負傷している兵士を止めるスレイに、ライラは制止の声を上げた。
その言葉にルミエールも頷く。

「スレイ、やるべき事と、そうじゃない事をちゃんと考えないとダメだよ。」
「……分かった。」

ルミエールの言葉に、どうするべきか即座に考えたスレイは、伝令兵の怪我を治す事を選択したらしい。
神依の力で治った傷を、不思議そうに見ていた彼だったが、スレイのお陰だと言うことは分かったようだ。
戸惑いながらも、小さく礼を言うと、兵士は身を翻した。
それを見送ったスレイは、来た道を急いで戻っていく。

「……スレイ?」

向かった先に聞こえてくるのは、ルーカスの声。
彼らの次の仕事先は、どうやら戦場にらしい。
ルーカスに近付いていくスレイを、ルミエールは怪訝に思いながらそれに続いた。




澱んだ盆地
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