レプリカ編
□Episode67
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「ナタリアが戻ってると助かるんだけどなぁ……。」
「呼びまして?」
バチカル城の前。
聳え立つ城を見上げながら、そう呟いたルークに、背後から返事があった。
驚いて振り返ったルーク達の後ろには、腕を組んだナタリア本人が立っている。
護衛として引き連れていただろう兵士達に合図を送り、撤収させた彼女を、ルークは幽霊か何かを見たかのように
見つめていた。
「うわっ!?お前、何でここに……?」
「まぁ!何だとは何ですの?」
そんなルークに、ナタリアは呆れた顔をしながらも、ちょうどケセドニアの視察を終えて戻ってきたのだと答えた。
「…………ところで。」
つかつかとジェイドと紫音に……、と言うよりは、一直線にジェイドに歩み寄ったナタリアの表情は、怒りに彩られていた。
彼女は苦悩する