エジプト編

□Episode55
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「ルクソール……。
古代エジプトの時代は、テーベと呼ばれた都だったと……。」

ガイドブックを開いて、ふむふむと読み耽っていた私は、突然消えたガイドブックに目を見開きました。
犯人は、渋い表情をしたジャンさん。
返してもらおうにも、高く掲げられてしまっているため、ジャンプしてもなかなか届きません。

「返して……っ、ください!!」
「まァたこんなの読み耽ってよぉ……。」
「ガイドブックを春茉に返せ、ポルナレフ。」

典明くんの言葉に、渋々私にガイドブックを返してくれたジャンさんに笑いながら、モハメドさんが後方を指差しました。

「あの有名なツタンカーメン王の墓も、この王家の谷にあるのだ。」
「歴史がある街だってのは分かったけどよォ……。」

頷きながらも、まだ興味の薄そうなジャンさんに、モハメドさんはニヤリと笑みを深くするのです。

「未だに、何処かの家の地下では金銀財宝を求めて、政府に秘密で洞窟を掘っている奴もいると言う話だ。」
「まだ発見されてない墓や財宝があるって事か!?」

途端に食い付いてきたジャンさんに、モハメドさんは信じるか信じないかは、お前たち次第だ、と笑いました。



くっつきおじいちゃん
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