片翼の影

□三ツ影
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「はぁ!?
また弥槻を一人残して帝都に行けって話?
冗談じゃないっつの!」
「そうやってお前ぇ、ずーっと弥槻にかかりっきりじゃねぇか!
お前ぇがいねぇ間は、オレが面倒見るつってんだろ!」
「反対反対はーんーたーいーっ!」
「ちったぁ仕事しろボケが!!」

仕事をしろと怒鳴るドン。
弥槻が心配だからと、それを断固として拒否するレイヴン。
ここ数日、ずっとこの調子だ。

「……過保護です…。」
「ほら、弥槻ちゃんも過保護だって!」
「お前ぇがだろ!」
「…………二人とも…かな?」
「「!!」」

視線を明後日の方向に反らしながら、弥槻は苦笑いを漏らす。
突き詰めて考えれば、二人とも同じことを言っているのだから。



過保護な保護者
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