片翼の影
□十五ツ影
1ページ/4ページ
弥槻達がエアルクレーネを通過してしばらく走ると、やがて薄暗い洞内の向こうに人影が見えてきた。
「見付けたぜ……!」
見れば、イエガーが進む先にはコウモリの様な魔物が大量に飛び交っている。
どうやら、大群が飛び回っているせいで彼は立ち往生しているらしい。
「こ、こ、こんな所で……。」
「さて、と……。鬼ごっこは終わりだな。」
背後には壁、すぐ左には魔物、そして追い付いてきたユーリ達。
完全に退路を断たれたイエガーは、忌々しそうにこちらを睨み付けながらもその姿勢を正した。
「……くっ!こ、ここ、ここは……、ミーのリアルなパワーを……!」
そう言うがいなや、突然イエガーの身体が光り始めたのだ。
広がる砂漠