風の螺旋階段

□Episode04
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「もうここにいる理由は無いよ。
私達も帰ろう、スレイ。」

ローランスの赤が去って行くのを見ながら、帰還を促したルミエールに、スレイは静かに首を振る。

「……ここで生まれてしまった憑魔を鎮めないと。」
「スレイさん……。」
「途方も無いよ?分かってる?」

ルミエールの確認にも、スレイの意思は変わらないようだ。
そんな様子を見て、ミクリオも苦笑いを浮かべながら肩を竦めた。

「今回は、とことん付き合ってあげるよ。」
「……ありがとう、ミクリオ。」
「導師が決めたなら、やるしか無いね。」
「……ごめん、付き合ってくれて。」
「いいえ、どういたしまして。」

一緒に来てくれる、と言ってくれた仲間達に、スレイは小さく笑った。
そして、気持ちを入れ換えるように息を吐いた彼は、今だ喧騒の真っ只中にある戦場へと足を進めた。



災禍の主
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