☆絆

□巡りあった2人
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親切さんの鏡の前には先に着いていたらしい涼太と秋道がいた。

何か様子がおかしい…??

階段の3段目に腰掛けている秋道。

床の隅で体育座りしている涼太。

涼太は左の足首を押さえていた。

「悠翔、蕉、崎坂!!」

涼太は俺らに気付くと安心したような声をあげた。

「涼太。足、どうかしたのか??」

俺は涼太に近付きながら聞いた。

「えっと、さっき…階段から落ちて…」

「「落ちた!?」」

「ち、ちょっと見せて!!」

崎坂が涼太のズボンの裾を上げて見る。

「ちょっと伸ばして…
これ痛い??」

「う…うん、ちょっとだけ」

「じゃあ…」

と言いながら崎坂が涼太の足首を少し曲げた瞬間

「痛っっ」

涼太が小さく悲鳴をあげた。

「折れてはいないけど…
捻挫かな、結構ひどいよ
しばらく歩かない方がいいね…」

ズボンを戻しながら崎坂は言った。

「保健室に松葉杖があるはずだから…
私、取ってくる!!」

「え、みんなが来てから一緒に行った方が良くないか??」

「大丈夫。ありがとう、蕉」

「いや、大丈夫じゃないって!!」

蕉が心配して言うが崎坂は1人で行くと言って聞かない。

崎坂はこういう時頑固だからな…

「ってか大体、なんで階段から落ちたんだよ」

このままだと崎坂は本当に1人で行きかねないから、話を変えてみる。

俺は涼太が、さっきからチラチラ秋道を気まずそうに見ているのに気付いていた。

「えっと…」

言いながらさりげなく見るのは秋道の方。
やっぱり…
秋道が関係しているのは確かだ。

すると秋道はイライラしたように立ち上がった。
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