☆絆

□男子トイレのワープの鏡
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階段を下りる。

「男子トイレか…」

2階じゃなくてよかった…と思いながら目的の場所まで静かに歩いた。

「ここ…だよね
いつも使ってる場所に七不思議があるって変な感じ…」

トイレの前で涼太が言う。

「入るぞ…!!」

ワープの鏡ってどんなものなんだろう。
少し入るのが怖い。

「入らないのか??」

躊躇っていると怜がスタスタとトイレの中に入ってから聞いてきた。

「…入るよ」

俺はそれに続いた。

「男子トイレなんて初めて入った…」
「私たち入っていいのかな??」
清水と崎坂が話しているのが聞こえる。

少し暗いだけでいつもと変わらない男子トイレ。

「鏡、だったよな」

2枚貼られている大きな鏡をじっとみつめながら拓也が言う。

「何もない…」

言い終わる前にキュイーンと音がして鏡が光った。

「うわっ!!」
「きゃー!!」

暗闇に目が慣れていたせいもあって眩しい光に目も開けていられない。

光がおさまってもしばらく視界は真っ白だった。

「みんな、大丈夫か!?」

視力は回復していなかったが叫んでみた。

返事は、無い。

「みんな…??」

目が慣れて周りが見える。



そこには、誰もいなかった。
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