☆絆

□消えた日常
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「イェーイ」とか言いながらハイタッチをする2人。

こんなことすると付き合ってないなんて嘘ですって言ってるようなものな気がするけど誰がどっちに聞いても軽く流されるから最近は聞こうとする人も少ない。

でも崎坂ってモテるから崎坂のこと好きな男子とか結構いるし、特にこの剣道部にも(蕉と)遊びに来たり(蕉の)試合の応援に来てくれる崎坂ファンの奴は多い。

…おーい蕉ー…そろそろ気付けー、すごく睨まれてるぞー…。

崎坂は学年だけじゃなくて学校全体で人気がある。

ひどいときだと蕉を呼び出したりする3年生がいたりするけど
大抵は崎坂が「蕉、お呼びだしー??」とか言って入ってくるからほとんど失敗に終わっている。

あれ…まだ秋になったばかりで暑いのに1人だけ黒いベストを着てる…漆黒の髪と黒いベストで胸についた赤いリボンが映えるなぁ…

「夢月!!早く行かないと遅刻する!!」

「あっ、ゴメン!!じゃあね、蕉!!行こっ」

崎坂の親友、清水 咲希に促され、崎坂をはじめとするバスケ部の女子たちは走りだした。

清水は黒ぶち眼鏡をかけていて、見たまんまの優等生だ。
生まれつきの茶髪を肩より少し長いくらいまで伸ばしていてそれを後ろで結んでいる。

特にアレンジはしていないのだがちょこんとして可愛らしい。

頭はもちろんいいが運動神経もよく、定期考査や体育の成績発表では崎坂と一緒に上位に居座っている。

清水も優しい性格と可愛らしい顔立ちで意外にモテる。
よく告白をされたりするのだが清水がそれでOKしたのは見たことがない。

ちなみに崎坂もよく告白されるけどこの人に関しては告白をされていることに気付かないという才能をもっているからOKするとかっていうレベルじゃない。

蕉が言うには、だからこそしっかり者の清水と頭は良いのに抜けている崎坂で相性がいいとか。

桜木や崎坂、清水たちバスケ部が体育館へ向かってから、また俺の番が来た。
相手はさっきと同じ、中野 怜。

剣道部主将でノリがよく、男女問わず人気はあるけれど、部活のときは強いからちょっと偉そうで、正直俺はあまり好きじゃない奴。

初めて会う下級生とかは背が高く細身だが筋肉質な体に怯える奴が多いが話してみるとすぐに恐怖が尊敬に変わる。そんな奴だ。

先生の合図で勝負が始まって、すぐに終わった。

この勝負の結果は…ふせておこうと思う。
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