留伊
□なごり雪〜留三郎編
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せっかくのバレンタインデーは仙蔵に邪魔されてしまった。
気を取り直して授業の片付けをしている伊作に会いに倉庫に向かう。
そこで聞こえてしまった伊作と仙蔵の会話。
…なーんだ、土井先生のことが好きだったんだ。知らんかった。
でも、全然片思いじゃん…
ばっかでー。もうちょっと相手選べよ。
なんかさりげない子悪魔発言を聞いた気がするけど…
今更そんなことでひるむと思うな。
なめんじゃねーぞ。
どれだけ長いつきあいだと思ってるんだ。
お前がどれだけ陰で泣いてるか。
本当にどれだけかわいいか。
俺が一番分かってる。
その日の夜は、思いを伝えるだけにしようかと思ってたけど、抑えがきかなかった。
長い間抱えていた思い。
少し強引だったかもしれない。
はじめは強く握った腕を離しても伊作は逃げなかった。
つい何度もキスをしてしまった。体中に。