文三木、文仙、綾三木
□なごり雪〜文三木編
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6年生の卒業も近付いたバレンタインデー、僕は勝負を賭けることにした。
「立花先輩、お願いがあります!」
「何だ?」
「今日は部屋に帰らないで下さい!」
立花先輩をじっと見つめる。僕の覚悟がわかったらしい。
「行くのか?」
「はい!」
僕は戦地に乗り込む覚悟だった。
「失礼します」
「三木?何だこんな遅くに」
潮江先輩は部屋で帳簿のチェックをしていたが、手を止めて僕の方へ向き直ってくれた。
「先輩、聞いて下さい!」
「ああ、聞いてるよ」
「僕、先輩のことが好きなんです」
「は?三木…」
「お願いがあります。…あの、噂だけじゃなくて、…本当に先輩のものにしてください!」
先輩はびっくりしていた。が、僕はひるまない。座ったまま、潮江先輩に抱き着き、自分からキスをした。
顔がまっ赤になって、恥ずかしくて先輩の顔がまともに見られず、そのまま先輩の胸に顔を埋めた。
「ただの会計委員はもう嫌なんです。お願いですから最後に抱いて下さい」
「三木…ごめんな、お前にそんな思いさせてたなんて…」
「先輩…」
先輩は僕の顎をあげてキスしてくれて、後は、そのまま勢いで…
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