鉢伊、鉢雷
□宿題
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side:hachiya
邪魔な6年生連中をものともせず、かわいい伊作先輩に猛烈にアタックした結果、手に入れた保健室の一角。
保健室に用事がなくても、僕はここで伊作先輩と何気ない会話等ができるようになった。
今日もここでちょっと前から伊作先輩を待っているのだが、一向に構ってくれる気配がない。
「何してるんですか?」
「ん〜、宿題…」
「どれどれ…
兵法ですね」
「問3の答は…でしょう。…ですから。
それから、問5は引っ掛け問題です。3番の選択肢じゃなくて、1番です。ちょっと紛らわしいですけど…」
「ふ〜ん、 …って、なんで分かるの?!6年用の問題なのに!」
「なんでって、伊作先輩を待ってる間、暇だから6年生の教科書読んでたら覚えちゃいました」
「…あっ、そ」
あれ?やばい。雲行きが怪しい。
伊作先輩の宿題が早く終わったら構ってくれるかなと思ったのに、あきらかに機嫌が悪い。
寝屋で僕にかなわないのは諦めたらしいが、どうやらそれ以外では先輩としての威厳を保ちたいようだ。(僕にとってはそんなことどうでもいいんだけど!)
しかし、それを傷つけてしまったらしい。
このままでは宿題を終わらせてエッチどころか、保健室を追い出されかねない。