小さな暗殺者

□23 それから
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マルコ「ユーリ」


ユーリ「!」



ユーリが正式に船に乗ったのは約1ヶ月前。

船員たちには嘘を交えた説明をしたが、ユーリの乗船には普通に喜んでいた。


…それから、白ひげ海賊団はユーリの故郷の島へと上陸していた。

探し出すのには結構な時間が掛かったとか…。



マルコ「ここで間違いないかよい?」


ユーリ「…ん、」



島を降りて、確かめればユーリは小さく頷いていた。



エース「…ここって村とかねェのかな?」


サッチ「ねぇんだと、
…多分過去が過去だから無人島で暮らしてたんだろ」


エース「………」



島へと入って行くマルコにユーリ。

他の船員たちも何人か船を降りて、島を荒らさないよう気をつけながら散策をしていた。








ユーリはポテポテとどこかへ向かう。
きっと記憶は島を覚えているのか、迷う事なくマルコとユーリは一軒の家に辿り着いた。


その家に人が住んでる気配はなく、当然整備もされていないので木の蔦(つた)が絡み放題だ。



ユーリ「………」



ユーリは家の周りを彷徨(うろつ)く。

しかし、ただ彷徨いている訳でなく何か思い入れがあるモノには懐かしそうにジッと眺めていた。



マルコ「………」



マルコは眺めているユーリに近づく。



ユーリ「…おとさんが、つくってくれた」


マルコ「!…」



ユーリが今見ているのは木をつたってぶら下がっているブランコ。



ユーリ「おかさんとね、よくのってた」




(おー! おかしゃん、すごいね!)

(ふふっ、そうね)

(おとしゃんも、ぶやんこのろ! さんにんで!)

(おいおい、気持ちは嬉しいが流石に壊れちまうぞユーリ)





ユーリ「……」



ユーリはブランコから視点を変え、今度は近くにあった切り株を見つめる




(おかしゃん、ぷゅーやって!)

(ぷゆー? 何だそりゃ)

(草笛の事よ、前に聴かせたのが気に入っちゃったみたいね)

(おかしゃんはやくー)

(はいはい)





…色々見渡せば、色々な記憶が蘇ってくる。

ユーリが思い出に浸っている中、マルコはその様子をただただ見守り続けていた…。
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