小さな暗殺者

□15 赤く
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マルコ「……ん…?」



ユーリを探し出して数十分が過ぎた頃、何だか近くが…鉄臭い。

敵船が来ればそれは当たり前の事になるが、窓が開いていない限り船内はそこまで臭いは来ない筈だ。

周囲を見ても風の流れは感じない。


マルコは臭いを便りに、歩く度近くなったり遠くなったり…。


それを繰り返して、マルコはとある部屋にたどり着いた。



ガチャ…、



マルコ「ーーえ…?」


「っア!!おおいアンタ!!た、助けてくっァアアアア!!!!!」



赤い…赤い…しぶき。


一体何が起こっているのか全く分からない…。

ただ、目に映るのは
部屋の至る所に、赤いモノが付着していて、マルコに声を掛けたであろう男は、やがて叫び声が消え、赤に染まった。

男の他にも人がいたようだが、みんな赤く染まっていて、最初にやられたであろう男はその赤いモノの所為で顔が伺えない程であった…。



その赤いモノが、血≠セという事を理解するのに時間掛かった。

何故なら、
そこで唯一立っているのが…ーー




マルコ「ユーリ…、おま……」



何もかもが衝撃的過ぎて言葉が出ない。

たかが子ども…、どこかでそう思っていたのに、これを見て絶句しない者が果たしているのだろうか……。


ユーリには傷がなく、変わりに顔やら服やら至る所に…男たちの、血が付着していた。



ユーリ「…あかく、した……」


マルコ「ッ……」グッ‥




あかくした…、



だからいつものように、

ほめてもらえる…ーー
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