虎狼と親愛
□20 大丈夫
1ページ/2ページ
――…
夢を見た…。
仲間(動物)たちの夢。
人間を怖がって泣いていた、子どもの姿の俺を励ます。
大丈夫だと擦り寄ってくれて…とても、温かかった。
そしたら、あいつらが出てきた。
…人間なのに、誰も警戒してなくて、みんなで一緒に楽しく遊んでた。
何で…?
――シュウが認めた人間たちだからだよ。
だから、泣かないで。
心配いらないんだよ。
僕らは笑ってる方が、そんなシュウが、一番大好きだから…。
シュウはもう、一人じゃないから。
もう、大丈夫なんだよ…――。
―――
――
シュウ「………っ…」
目が覚めると、そこは見覚えのある医務室で、自分の体があちこち治療が施されていた。
それを余所に、手をジッと見るシュウ。
動物たちの温もりがどこかあるような、そんな気持ちになり、さっき見た夢が現実のように感じてならないようだ。
エース「レイスー! って何だいねェの……!!、シュウ!!!」
部屋の扉が開き、エースがやって来た。
エースはシュウが目覚めていたのを見ると、突撃するようにシュウに近づいた。
エース「やっと目が覚めたんだな!良かった〜!!」
シュウ「………」
(目が覚めたんですね、良かった…)
子どもの頃、同じような事を誰かが言った。
誰だったか、いつどこでだったかすらも思い出せないが…。
エース「シュウ…?」
シュウ「………」
いや、そんな事は今はいい…。
それよりも、これからどうするかだ…――。