虎狼と親愛

□20 大丈夫
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――…



夢を見た…。
仲間(動物)たちの夢。

人間を怖がって泣いていた、子どもの姿の俺を励ます。
大丈夫だと擦り寄ってくれて…とても、温かかった。


そしたら、あいつらが出てきた。

…人間なのに、誰も警戒してなくて、みんなで一緒に楽しく遊んでた。


何で…?



――シュウが認めた人間たちだからだよ。


だから、泣かないで。
心配いらないんだよ。


僕らは笑ってる方が、そんなシュウが、一番大好きだから…。

シュウはもう、一人じゃないから。


もう、大丈夫なんだよ…――。



―――
――



シュウ「………っ…」



目が覚めると、そこは見覚えのある医務室で、自分の体があちこち治療が施されていた。

それを余所に、手をジッと見るシュウ。
動物たちの温もりがどこかあるような、そんな気持ちになり、さっき見た夢が現実のように感じてならないようだ。



エース「レイスー! って何だいねェの……!!、シュウ!!!」



部屋の扉が開き、エースがやって来た。
エースはシュウが目覚めていたのを見ると、突撃するようにシュウに近づいた。



エース「やっと目が覚めたんだな!良かった〜!!」


シュウ「………」



(目が覚めたんですね、良かった…)



子どもの頃、同じような事を誰かが言った。
誰だったか、いつどこでだったかすらも思い出せないが…。



エース「シュウ…?」


シュウ「………」



いや、そんな事は今はいい…。

それよりも、これからどうするかだ…――。
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