虎狼と親愛
□16 失踪
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朝日と共に目覚めても
太陽が真上に昇っても
星空が散らばった夜になっても……。
人間は、みんな同じ目をする。
痛めつけ、嘲笑って、痛めつけて…。
誰も味方をしてくれない、誰もが嘲笑って楽しんでいる。
怖い…怖い怖い怖い。
………
……
じゃあ何で俺は、助けた…?
あいつは人間。
仲間(動物)じゃないのに……。
《――こういう人間もいる。
…それだけ理解してくれりゃ、後は何も求めやしねェよ》
……―
俺は…、いや……でも…
認めたらいけない…。
母さんや兄弟が、
殺された仲間(動物)たちが、悲しむ…――。
簡単には、認められない…。
認めちゃいけない。
だからもう…あそこにいるのは…――