記憶の渦

□13 再び現れた脅威
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ーーー

ーー



サッチ「ジンが生きてる…?!」


イゾウ「…かもしれない、ってだけだ。
実際テルアが生きてたんだ……あの野郎が生きていても不思議じゃねぇ」



これはイゾウがサッチを引き止めたあの日の話の続き。

…ジンが、生きているかもしれない。
似たような人物を見たと、ある傘下の海賊団の情報が流れたそうだ。
ただこれはまだイゾウとサッチ、そして白ひげしか知らない情報。

そんな情報をもとに、2人は眉間にシワを寄せて話を進める。



イゾウ「生きてると分かった以上、俺は奴を捜す為に船を出る」


サッチ「!……。 まぁ、止めても無駄だろうが…、親父は許したのか?」


イゾウ「連れて帰るのを約束に。制裁加せたいんだろうな。 まぁ俺は守るとは言ってねぇが」


サッチ「おい……っ、」



そこは守ってやれよ…と言わんばかりの顔をするサッチ。

イゾウは努力はすると悪い顔で笑う。
守るのか守らないのか分からない考えにサッチはため息をつかざるを得ない…。



サッチ「…んで……、一人で行く気か?」


イゾウ「………。
俺の隊は今テルアで手一杯だ。
どうせ記憶を思い出させようとか勝手に考えてんだろう」


サッチ「あー……みたいだな…、大丈夫か?」


イゾウ「…ま、もしもの場合はお前に任せる」


サッチ「俺かよ…! まぁ精一杯やるけどよ」



自分がいない間、16番隊とテルアを任せるというイゾウ。

何だか責任重大なサッチはやれやれと思いながら引き受ける。
とその直後何かを閃いたような顔をした。



サッチ「……っそうだ。
俺の隊で、誰か連れて行けよ」


イゾウ「あ?」


サッチ「いくら捜すっつても、船旅すんのに人いるだろ?
そう一人で行くとか言うな」



隊員には詳しくは言わなくていい。

サシ勝負でも何でもいい。
とっととてめぇでケリ付けて来いよ…ーー。



サッチ「んでケリ付けたら、テルアといい加減会話ぐらいしてやれよ?」


イゾウ「……フッ、バーカ」



ーー全部を終わらせたら、
言われなくともテルアと向きあうつもりだったさ。


………

……



…テルアを避けていた事は、否定しない。
テルアを見る度に頭ん中で、あの日の事が鮮明に思い出されていた。

やっと頭ん中の整理がついたってのになァ……。


整理がついてなかった頃の俺はいつもイライラしていた。
もし≠竍だったら=c…なんて言葉を何度も頭を過った。

仲間を、恨む事も……。


けどテルアは…、そんな事望んでなかっただろう。
海に飛び込む前に言った言葉を後から聞いた……。

最後までアイツは家族を想っていた。
……その家族を俺が恨むのは、お門違いだなーー。


部下がここまでやったんだ。
家族には悪ィが…、けどテルアと鉢合わせさせたくねェんでな。
あの野郎は生かしちゃおけない。


ジン……。

隊長の名において…、
手前ェの眉間に家族を傷つけた分だけ弾丸見舞してやらなきゃな。
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