記憶の渦
□04 船出
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誰もが驚き、何があったんだとザワついていると、問題を起こした張本人が現れた。
テルア「あの人……」
「っち…!! 仲間がいたか!」
テルア「え…?」
「あ、あいつ!“火拳のエース”じゃねェか!」
「双剣を助けに来たか!!」
エース「……」
テルア「………」
火拳のエース…。
彼の登場により、海兵たちは一斉に武器を取り出し、武器を向ける。
しかしエースはそれよりも前にテルアのもとに向かい、近くの海兵を一掃してからテルアを連れてその場から離れた…。
「逃がすな!何としても捕まえろー!!」
海兵たちはエース達を追いかけるが、その後見失ってしまったのだった…。
*
*
海軍から逃げていたエース達だったが、ここは小さな島。
見つかるのは時間の問題だろう…。
そんな時、テルアが世話になっていた食堂屋のおじさんが庇ってくれ、2人は今食堂屋にいた…。
テルア「………」
エース「………」
「………」
誰もいないんじゃないかというぐらいの沈黙が流れ、重苦しい雰囲気であった。
するとしばらく経つと、テルアは立ち上がり、どこかへ行こうとしていた。
「どこ行く気だテルア?」
テルア「…ここにいてもいつかは見つかりますからね。 それに海軍がいたら、みんな落ち着かないでしょう?」
エース「っ!?テルア何考え「捕まりに行く気なら、その足折るぞ?」」
『!!!?』
…まさかの発言に、誰もが驚いた。
特にテルアは、今までそんな発言するような人とは思ってもいなかったので、一番驚いていた。
「何も思い出してもないにも関わらず、捕まりに行くだ? 思い出した時にそれを後悔したらどうするんだ?
後先考えずに行動するのはお前の悪いクセだ」
テルア「………、」
「……ったく…、なぁアンタ」
エース「!」
「こいつを海に連れ出してくれ」
「「!!!?」」
テルア「ちょっおじさん…!?」
「いつかはこの島を出る気だったんだ、今でも良いだろう?
それにこの人はお前を知ってんだ。
なら一緒に行って、何もかも思い出して来い!」
それで全部思い出したら、ちゃんと故郷にも顔出せよ?
エース「……!!」
テルア「…――」
………
……
テルア「……ありがとう、おじさん」
自分は、失った記憶を取り戻さなければならない…。
テルアは海軍に捕まりに行くのは止め、エースと共に行動する事となった。