記憶の渦

□04 船出
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テルア「あの人はどこにいるんだろう…?」



買い物をしながら、昨日の青年を捜そうとキョロキョロするが、中々見当たらない。

すると、何だか島の人たちが港の方へ行くのが気になったテルアは、そちらに向かう中の一人に声をかけた。



テルア「どうしたんですか?」


「おおテルア! 何か港に珍しく海軍が来たんだとよ」


テルア「!」



海軍…。

そう聞いてテルアはヤバいと咄嗟に思った。
勿論この時は、前日の手配書を見たのが原因だと思っていたようだが……。



テルア「………」



もし、自分を捕まえる為にこの島に来たとしたら…。

島の人には迷惑をかけたくない。

何をしたのか全く身に覚えは無いが…、だが少なくとも自分があっさり捕まれば迷惑は避けられる。


そう思ったテルアは、港へと足を運んだ…。







一方、こちらは食堂屋の目の前。
エースはそこの前に立って、冷や汗をかきながら、深呼吸をした。

そして、覚悟を決めたのか、中へと入った。



「いらっしゃ…あ? お前昨日の…」


エース「ども、昨日は失礼しました」



エースは丁寧にお辞儀し、昨日勝手に飛び出してしまった事を謝る。

だが店主はそんな事は気にしておらず、優しく迎えた。



エース「あ…あの、テルアは?」


「ん? あぁ、アイツなら買い出しさ。もうすぐ戻って来るんじゃねェか?」


エース「そうか…」


「…兄ちゃん、アイツの事知ってんのかい?」


エース「えっ…あ……」



気まずい顔をしながら、そうだと答えたエース。
店主はそれを聞いて、テルアがこの島に来たときの事を話し出した。



「アイツはいつか、この島を出て故「あんた!」ぁあ?」


「港へ来てちょうだい! テルアが…!!」


「「!!」」



テルアに何かあった。
それを聞いてエースはすぐに食堂を出て、もうスピードで走って港へと向かったのだった…。
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