記憶の渦
□04 船出
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テルア「あの人はどこにいるんだろう…?」
買い物をしながら、昨日の青年を捜そうとキョロキョロするが、中々見当たらない。
すると、何だか島の人たちが港の方へ行くのが気になったテルアは、そちらに向かう中の一人に声をかけた。
テルア「どうしたんですか?」
「おおテルア! 何か港に珍しく海軍が来たんだとよ」
テルア「!」
海軍…。
そう聞いてテルアはヤバいと咄嗟に思った。
勿論この時は、前日の手配書を見たのが原因だと思っていたようだが……。
テルア「………」
もし、自分を捕まえる為にこの島に来たとしたら…。
島の人には迷惑をかけたくない。
何をしたのか全く身に覚えは無いが…、だが少なくとも自分があっさり捕まれば迷惑は避けられる。
そう思ったテルアは、港へと足を運んだ…。
*
*
一方、こちらは食堂屋の目の前。
エースはそこの前に立って、冷や汗をかきながら、深呼吸をした。
そして、覚悟を決めたのか、中へと入った。
「いらっしゃ…あ? お前昨日の…」
エース「ども、昨日は失礼しました」
エースは丁寧にお辞儀し、昨日勝手に飛び出してしまった事を謝る。
だが店主はそんな事は気にしておらず、優しく迎えた。
エース「あ…あの、テルアは?」
「ん? あぁ、アイツなら買い出しさ。もうすぐ戻って来るんじゃねェか?」
エース「そうか…」
「…兄ちゃん、アイツの事知ってんのかい?」
エース「えっ…あ……」
気まずい顔をしながら、そうだと答えたエース。
店主はそれを聞いて、テルアがこの島に来たときの事を話し出した。
「アイツはいつか、この島を出て故「あんた!」ぁあ?」
「港へ来てちょうだい! テルアが…!!」
「「!!」」
テルアに何かあった。
それを聞いてエースはすぐに食堂を出て、もうスピードで走って港へと向かったのだった…。