記憶の渦

□03 炎の青年
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――遠征帰りの事だった…。

もうすぐ暗くなるし、俺の所属する白ひげ海賊団の船までそんな急いで帰る必要がなかったから、俺は近くにあった小さな島に立ち寄った。

腹も減ったし、宿より先にメシ屋だと思って食堂屋に入った。


メシを待っていたらそこには、テルアがいた。

信じられなかった。
でもテルアは、生きていたんだ。

嬉しかった。


…でも、テルアは俺の事を覚えてはいなかった。



エース「…なぁ親父…っ、俺、どうしたらいい…?」



この事を一刻も早く親父たちに伝えたくて、食堂屋を飛び出し誰もいない所で、テルアの事を電伝虫を通して親父たちに話した。



?『――エース』


エース「!、イゾウ…」



受話器から出た声は、電伝虫の近くで聞いていたのだろうイゾウだった。

エース達の知っているテルアは、イゾウの部下…つまり、16番隊の隊員だったらしい…。



イゾウ『間違っても、テルアを連れて帰るなよ…?』


エース「!!!!」



イゾウはいつもより声のトーンが低く、虫の居どころが悪いのがまるわかりだった。



エース「で、でも俺…!」


イゾウ『否定をするな。 テルアが何で記憶が無いのか、分からない訳じゃねェよな?』



俺たちがテルアにしてしまった過ちが、その結果だ。

もう一度言う。
間違っても、絶対連れて帰るな…――。



エース「っ……!!」



ごめん…、


ごめん…テルア……っ!!!!
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