記憶の渦
□02 手配書
2ページ/2ページ
姉弟たちは村へ戻っていった。
テルアは男たちを船へと乗せて島から追い出そうと、錨をあげる。
テルア「(船の事なんか知らない筈なのに…、変な感じ……)」
「っ…思い出した」
テルア「!」
海賊の一人が目を覚まし、そんな事を言った。
その海賊はテルアを見て、どこか怯えていた。
「何でアンタ…この島にいる、島には俺たちの船以外はなかった筈だ……」
テルア「?…ええ、無いですよ?」
「!?、じゃあ遠征か何かか…?」
テルア「…すみません、言ってる意味が分かりません」
「とぼけんじゃねェよ!! お前一人か!?仲間はどこかにいるのか!?」
白ひげも、この近くにいるのかよ…!!?
この海賊の言っている意味が、最後まで分からなかった。
自分に仲間…?
今自分には島の人たちしか身寄りがいない。
この人は、何を言っている…?
――白ひげって…誰?
「双剣のテルア…7100万ベリーの賞金首…!! これを見ても、まだしらばっくれる気か!?」
テルア「!!………」
男がテルアに見せたのは、手配書だった。
だが、自分には本当に覚えがなかった……。
それでも手配書の写真は、確かに自分だった。
――記憶はあるのに、何故見に覚えのない事が目に映っているのか…自分には到底理解出来なかった。