小さな暗殺者
□17 真実
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再び戻ってマルコの部屋
マルコは赤いモノ…血の事をユーリに教えた
流してはいけない事は勿論、血は痛いという事、ヘタしたら死をも齎(もたら)してしまう事……。
小さな子供に教えるのは良いことではないし、頭に刻んでくれるとも限らない。
それでも、
マルコは教える事を中断させたりはしなかった。
ユーリ「……し、んだらどうなるの…?」
先ほどまで反抗的なユーリだったが、死という言葉が何なのか…それに対しては反応してくれた。
マルコは一旦口を閉じ、悲しそうな顔をしながらユーリの頭にそっと手を置く。
マルコ「…死んだ奴にはもう、二度と会えないんだよい」
ユーリ「…ーー!!」
頭に赤い何かが蘇る
赤くて、冷たくて、動かなくて……。
両親がそんな状況であったという記憶。
あかく≠ニは、悪い事をしたからそのお仕置き…という事てはないの……?
でもマルコの話が本当なら、
脳内の片隅にあった真っ赤に染まった両親を思い出してしまったユーリは…、静かに涙を零した。
(お前の両親は悪い奴らに殺され、死んだ)
死んだ=[ー。
ユーリ「うそ…だ、よ。 だってマスターが……」
(ーー俺の言う事を聞いたら会わしてやる)
マルコ「………」
あァ…、
こいつは…何も知らなかったんだ…。
赤くという事も。死も。
だから、両親は死んでいた事も知らぬまま、もう会えないのに…なのに……。
ユーリ「っ…おかさん…!おとさ、ん……っ!!」
うぁああああああ…!!!
ユーリは泣いていた
大声で…、
大粒の涙で…、
部屋に船員たちが入って来た事も構わずに……。
俺はそんなユーリを
ただただ抱きしめてやる事しか、それだけしか…出来なかったーー。