虎狼と親愛
□07 船尾
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一方こちらは船尾。
エース「なぁなぁなぁ、いつまでも船尾にいないでよ! 甲板楽しそうだから行かないかシュウ?」
シュウ「……」
エースはほんの数分前にやっとの思いで名前を教えてもらっていた。
というより、シュウが怒って咄嗟に言ったらしい
その後もエースはシュウとの対応は変わらず、シュウは無視する事にした
襲うという判断もあるが、エースに何をしても効かないのは昨日で時点で知っているので、その判断はしないようだ。
マルコ「っと、シュウ」
シュウ「………、」
エース「お、マルコじゃねェか」
船尾にやって来たのはマルコ。 シュウは名前を呼ばれ、伏せていた顔を軽く上げた。
マルコ「傷、まだ完治してねェだろい。 レイスが包帯変えてやるから医務室に来いだとよい、」
シュウ「っ……、…かま…な…」
「「?」」
シュウは小さく何かを呟いていた。
エースは何か言ったか、とリピートを求めた。
シュウ「俺に構うな!消えろ」ギッ
シュウはギュッと手に力を込め、これでもかという位2人を睨み付けていた。
2人は息を呑みながらシュウを見つめていた。
マルコ「(……!)
……まぁいいよい…。
エース、今日は隊員の手合わせするんじゃなかったかよい?」
エース「え?あ…、やべ」
マルコ「早く行ってやれよい、」
エース「…あ…、ああ…」
エースは立ち上がり、チラッとシュウを見て少し名残惜しそうにその場を去った…。
マルコ「……、」
シュウ「………」
シュウは再びゆっくりと顔を伏せ、その状態から動かなくなった。
マルコは息を吐いた後、間を開けてからその場を立ち去った…。
(あいつの目は)
(憎しみでいっぱいいっぱいなのだろう…)
(けれどそれに対して、)
(体はどこか
怯えているような気がしたーー。)