小さな暗殺者

□09 視点
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マルコ「先に風呂に入ってろい」


ユーリ「ぅん、」



ユーリは服を脱いだ後、先に風呂に入って行った。







ユーリ「……」



ゴシゴシと体を洗うユーリ。

顔は俯いており、手の動きが徐々に弱まっていった…。



いれないとあのへや…


でも、

いれたら……、



送られて来たビンの事で悩んでいるユーリ。

そんな時…、



マルコ「どうしたよい?」


ユーリ「!」



ふと気付くとマルコが横に立っていた。

マルコに湯の入った洗面器を渡され、ユーリは受け取って泡を流した。



マルコ「髪洗うよい、」


ユーリ「ぅん、」



ユーリは両手でギュッと目を隠し、丸くなった。

マルコは風呂場にある椅子に座ってユーリの髪を丁寧に洗い出した。
本来なら子供にシャンプーハットを付けてやりたいものだが、この船にはそんな物はない。

服もそうだ。
着ていた物はともかく、他はない。
その為、船員たちの古着を着用している。
ダボダボだが……。

Tシャツ一枚でスカートになる。



ジャバー…ッ、



マルコ「終わったよい、」


ユーリ「うぅ…」



ユーリはパチパチと目を開け、視界を安定させる



マルコ「先に浸かってろい」



そう言われ、ユーリは湯船にゆっくりと入る。

肩まで浸かり、湯船の縁に掴まりながらマルコを見る。



ユーリ「……」



(よーしユーリ!髪洗うぞ〜)

(ユーリ:おとしゃんはいたいからいやァー!)

(男の子なら我慢しろ〜!)

(ユーリ:きゃ〜!!)





ユーリ「……おとさん…っ…」



ユーリは縁にペタッと寄り添いながら、そう呟いていた…。
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