小さな暗殺者
□09 視点
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マルコ「先に風呂に入ってろい」
ユーリ「ぅん、」
ユーリは服を脱いだ後、先に風呂に入って行った。
*
*
ユーリ「……」
ゴシゴシと体を洗うユーリ。
顔は俯いており、手の動きが徐々に弱まっていった…。
いれないとあのへや…
でも、
いれたら……、
送られて来たビンの事で悩んでいるユーリ。
そんな時…、
マルコ「どうしたよい?」
ユーリ「!」
ふと気付くとマルコが横に立っていた。
マルコに湯の入った洗面器を渡され、ユーリは受け取って泡を流した。
マルコ「髪洗うよい、」
ユーリ「ぅん、」
ユーリは両手でギュッと目を隠し、丸くなった。
マルコは風呂場にある椅子に座ってユーリの髪を丁寧に洗い出した。
本来なら子供にシャンプーハットを付けてやりたいものだが、この船にはそんな物はない。
服もそうだ。
着ていた物はともかく、他はない。
その為、船員たちの古着を着用している。
ダボダボだが……。
Tシャツ一枚でスカートになる。
ジャバー…ッ、
マルコ「終わったよい、」
ユーリ「うぅ…」
ユーリはパチパチと目を開け、視界を安定させる
マルコ「先に浸かってろい」
そう言われ、ユーリは湯船にゆっくりと入る。
肩まで浸かり、湯船の縁に掴まりながらマルコを見る。
ユーリ「……」
(よーしユーリ!髪洗うぞ〜)
(ユーリ:おとしゃんはいたいからいやァー!)
(男の子なら我慢しろ〜!)
(ユーリ:きゃ〜!!)
ユーリ「……おとさん…っ…」
ユーリは縁にペタッと寄り添いながら、そう呟いていた…。