虎狼と親愛
□04 嫌悪
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シュウ「ーー…」
意識を取り戻したシュウ
だが、まだ起きたばかりで自我がはっきりしていない
その時だった。
?「……ん?
お!起きたみてェだな」
シュウ「!!!ーー」
ガシャーンッッ!!!!
?「っ!!」
ガチャ!
?「おい何の騒ぎだ!?」
?「大丈夫?!エース!」
エース「あ、ああ…。
イゾウにハルタか……」
大きな音を聞き、部屋の外の廊下を歩いていた二人が駆け付けた。
イゾウとハルタが駆け付けると、そこには椅子から落ちて床に手をつけているエースの姿と、ベッドから出てこちらを容赦なく睨みつけているシュウの姿があった。
シュウ「っーー!!!」
エース「そ、そんな睨むなって… 俺たちはお前を「うるせェ」!!」
シュウ「母さんを…」
イゾウ「?」
シュウ「母さんと兄弟をどこへやった!!?」
『!!』
エース「ま、待てよ
あの島にはお前しかいなかったぞ…?」
シュウ「てめェら人間が!!俺の仲間を殺してっ母さんと兄弟を連れてったからだろうが!!!」
『!!?』
シュウ「母さんはどこだ!?兄弟はどこだ!!?
てめェらただじゃ許さっ、…が…っ」
『!!』
ハルタ「ちょっ!!」
怪我も完治せずに、声を荒げていた事が無茶だったらしく、シュウは口から血を吐いた。
そして、微かに胸全体にある包帯から少量だが血が滲んでいた。
イゾウ「…俺たちが来た時は、お前の仲間も家族もいなかったそうだ。
それより、お前はまだ完治してねェ。助けたんだから無茶するな、次こそ本当に死んじまうぞ」
シュウ「助けてくれなんて…っ、頼んだ…覚えは……」
血が減り、うまく回っていないのかシュウはその場に倒れた…。
ハルタは船医を呼びに行き、イゾウとエースで壊れた医療器具の掃除とシーツの取り替え作業を行った。
エース「……、あの島で…一体何があったんだ…?」
イゾウ「さぁな…。親父が先に一人で行ったから何か変だとは思ってたけどよ」
エース「帰って来たと思ったら…、こいつ担いで帰って来たしよ。 島には行くなって言うし…」
イゾウ「……」