記憶の渦

□12 距離
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思い出した過去の記憶は、あまりにも酷な記憶で、それはテルアの心を傷つけた。

仲間に信じてもらえなかった。
お前がやったのだと、悪役にされた悲しい過去……。


一番に思い出されたのは、罵声に怒声。

それがいけなかった。
普通は聞こえてこない筈の声が、
頭の中で繰り返され、本当に言っているのではないかと思い込み…恐怖や悲しみがテルアを襲う。

やっていないのに、何故自分が責められている…?

…自分が仲間を助けたという記憶が遠のく。
それよりも、仲間に裏切られたという記憶がとても強く頭の中を駆け巡る。



テルア「…っ………」



信じてもらえなかったにも関わらず、何故それでも仲間を助けたのか分からなくなる。

何故自分はそんな必死に助けたの?
何故自分の身を犠牲にしてまで……、

仲間って何…?


分からない。
あの時の自分が分からない。

それに、なんで…ーー。








テルアが記憶を思い出した。
それは船中に伝わった。

しかし思い出してしまったが為に、テルアはあれから皆と距離を置いていた。

部屋からは出ず、会話もあまり成立せず…一人で一日一日を過ごしていた。
あの日の事を謝りに来た船員も何人かはいたが返事は返ってこない…。


だが、それだけの事を自分たちはした。
テルアを裏切った。

信じて、やれなかった…。



サッチ「メシは半分は食えって言ったが、それ以上は全然…」


マルコ「………」


「すまねェ……俺たちが勝手なことしたから…!」


白ひげ「謝るんじゃねぇよ
…いずれはこうなる事だったんだ」



これからどうテルアと向きあうか。
それが今の議題だ。

すぐには癒せられないテルアの傷ついた心……。
ゆっくりと、時間がどんなにかかっても、それを修復するのは自分たちの役目。


責任と償いの為に……。
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