記憶の渦

□05 帰ってきた仲間
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水面を走り去るようにもうスピードで走るエースの船。

その後ろを今度こそ見失わないように追いかけるのは何と海軍船だった。


そう、島を出る際に見つかってしまったのだ。

…いや、正確にはわざと見つかったのだ。

島から海軍を追い出す為に。
振り切るのは、それからでも遅くはないだろう……。



エース「………」


テルア「………」



逃げる時も、その後振り切った時も、2人の間には会話は無かった…。

エースはエースで何を話したらいいか分からず、テルアは何も覚えていない自分にとって、エースは初対面と何ら変わらないのだから…――。







エースが所属する白ひげ海賊団の船。

白ひげの部屋には、一本の電話が繋がった後だった。

相手はエース。
海軍を振り切った後に電伝虫にかけたようだ。


その電話内容には誰もが驚いていた…。



マルコ「テルアが、帰ってくる…!?」


サッチ「……!!」


ラクヨウ「おい良いのかよ…俺たちはテルアに合わせる顔は……」


イゾウ「親父それを許したのか…?」


白ひげ「おめぇらの言いてェ事は分かるが、話を聞け」



白ひげはエースから聞いた事を15人の隊長たちに話した。

すると、納得せざるを得なかった話だったのか、誰も反論出来なかった…。



イゾウ「………」


ハルタ「イゾウ…」



イゾウは何も言わずに部屋を出ていった…。

その後を追いかけられる者は誰もいなかった。



イゾウ「……テルア…」



もう二度と会えないと思っていた仲間が、帰ってくる。

しかし彼は何も覚えていない。


これから起こるだろう出来事に、イゾウは無意識に儚げな顔をし、腹部にある古傷を手で覆った…。
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