記憶の渦

□03 炎の青年
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海賊を島から追い出した後、テルアの手には男が見せた手配書が握られていた。

自分は一体何をして、手配書が出回ってしまったのだろう…。そんな事を考えながら、手配書の紙は懐に入れて食堂屋に帰ってきた。



テルア「ただいまー」


「おう遅かったなテルア!早く食料渡せ!」


テルア「え?ちょっわわ!」



裏口から帰るなり、おじさんに買い物カゴを取られた。
何事かと思ったが、お客が来ている事に気づく。

手伝うとおばさんに言い、飲み物を出してくれと頼まれたので、テルアはジョッキを持って客の前に姿を現した。



テルア「はい、とりあえずお飲み物持ってきました」


?「おう、サンキ………」


テルア「?」



オレンジ色のテンガロンハット帽を被った青年が礼を言いかけた時、何故か青年はテルアの姿を見て驚いていた。



?「テルア…?」



テルア「?、何で自分の名前を知ってるんですか?」



…自分はただ疑問に思った事を言っただけなのに、一体何がいけなかったのだろうか?

その青年はとても、とても…今にも泣き出しそうなくらい悲しそうな顔をしていた…――。
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