恋に落ちた海賊王
□夏だ!宴だ!百物語だ![ソウシ恋人設定☆]
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「よぅし!お前ら!よく聞け!」
宴の最中、急にリュウガから発せられた言葉に皆が注目する。
「今から百物語を行う!」
全員:「「はあぁぁぁ?!」」
リュウガ:「何だ、その反応は。」
☆☆:「ひゃ、百物語って、怪談話を百話話す・・アレですよね?」
リュウガ:「その通り!ロウソクも100本用意するぞ!」
ハヤテ:「うわぁ・・本格的。」
トワ:「ぼ・・僕、嫌です!」(既に涙目)
シン:「下らないな。時間の無駄だ。」
ナギ:「・・同感だ。」
ソウシ:「船長・・また唐突に変な事を思い付くんだから、まったく。」
リュウガ:「なんだ、お前ら乗りが悪いな。まぁいい。船長命令だ、全員参加しろ。」
全員:「「はあぁぁぁあぁ?!」」
不本意ではあるが、こうなったらどうにもならない。船長命令は絶対だからだ。
みんなで甲板に輪になって座り、目の前には100本のロウソクが火をつけて並べられ、ユラユラと揺れる炎が、もう既に不気味な雰囲気を演出する。
臆病な☆☆は、顔を真っ青にして、ソウシの腕をがっしりとつかんでいる。ソウシはそんな☆☆の頭を優しく撫でて、優しく微笑んだ。
ソウシ:「大丈夫だよ。私がついているからね?」
☆☆:「はぃ・・」
それでも、☆☆の震えは止まらない。
ソウシ:「フフッ。☆☆は本当に怖がりだね。」
シン:「百物語はヤマトでよく行われると聞くが、☆☆はやった事はあるのか?」
シンのその言葉に☆☆は固まる。
そして、ポツリと答えた。
☆☆:「はい・・一度、小学校の頃、友達と一緒に・・。」
更に顔色を悪くする☆☆。
トワ:「・・で?で?何か起きたりしたんですか?」(涙目決壊寸前)
☆☆:「ぅん・・百話目の話が終わって、最後のロウソクを消した瞬間に・・」
全員:(・・ゴクリ・・)
☆☆:「友達の一人が気絶しちゃって・・しばらくして起きたのはいいんだけど、様子が変で・・」
トワ:「へ、変って・・?」
☆☆:「・・『貴様ら、切り刻んでやる!』って言って暴れ始めて・・うっ、ぐずっ・・」
トワ:「はうぅぅ〜」(涙決壊)
ソウシ:「で?その後どうなったの?」
☆☆:「・・私達だけではどうにも出来ないから、大人を呼んだんです。そしてお寺に連れて行ってもらって、お祓いしてもらいました。お坊さんの話によると・・」
全員:「「・・ゴクリ。」」
☆☆:「その友達には強い恨みを抱いた落武者の霊が憑依していたって・・」
トワ:「うわぁん!!」
ハヤテ:「トワ、ビビり過ぎじゃね?」
シン「確かに、お約束な感じの怪談話だな。」
☆☆「お、お約束・・一生懸命話したのに・・(涙)」
ソウシ:「こら、シン!☆☆ちゃんの頑張りを踏みにじるな!」
リュウガ:「よし、☆☆。ロウソクを一本消せ。」
ナギ:「もう一話終わりか。」
トワ:「うぅぅ・・早いですぅ(涙)」
ソウシ:「じゃあ、次は私が話そうか」
全員:(・・うわぁ、怖いのがきそう。)
ソウシ:「あれは私が研修医だった頃だったな。夜勤で、病室の見回りに行った時、ある入院患者の病室から『先生、先生‥』って、弱々しい声が聞こえてね、具合でも悪くなったのかと思って、急いで病室に入ったんだ。」
☆☆:「うぅぅ・・(涙目)」
ソウシ:「・・そうしたら、その部屋は無人だったんだ・・。驚いた私は急いで、その病室のデータを調べたよ。」
リュウガ:「・・で、どうだったんだ?」
ソウシ:「実はね、その部屋に入院していた患者さん、前の日に病室で・・」
☆☆&トワ
「うわあぁぁぁぁぁん!!(叫)」
シン&ハヤテ
「・・うるせぇ!!(怒)」
ソウシ:「・・(苦笑)」
リュウガ:「ソウシ、続けろ。」
ソウシ:「はい・・。その患者さんは前日、病を苦に病室で・・首を吊っちゃってたんだよね。」
全員:(・・シィーーーン・・)
ソウシ:「フフッ。ご期待に添えたかな?ロウソク消すね。(^-^)」
☆☆:「怖すぎです・・ソウシさん・・。私、トイレに行けない(涙)」
ソウシ:「アハハ。大丈夫だよ。私が一緒に付いて行ってあげるから。」
☆☆:「本当ですかぁ〜?(涙)」
ソウシ:「大丈夫、大丈夫。」(^-^)/(TT)ナデナデ
シン:「・・怪談話中にイチャつくな。」
百物語は、このバカップルを皮切りに、順調に進んでいった。
次回に続く☆