恋に落ちた海賊王
□絆A
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☆☆☆Side ☆
ヤマトで結婚して二人で暮らしていた私達。
だけど、この年末に起きた騒動がきっかけで、再びシリウス号に戻る事になった。
慣れ親しんだ船内は2年前と変わらず、医務室や私とソウシさんの部屋もそのままの状態で、まるで私達がいつ帰っても良いようにと待っていてくれたみたいで、心が温かくなった。
ヤマト海軍から逃げ切って安全な海域に入ったシリウス号では、私とソウシさんがシリウス号に戻った祝いの宴が開かれていた。
リュウガ「よし、全員揃ったな!じゃっ、ソウシと☆☆!よく戻った!俺達の再会に乾杯!」
全員「カンパーイ!」
甲板には沢山のお酒とナギさんの手料理、そしてシリウスの皆の笑顔で溢れていた。
そして何故か、その輪の中にロイ船長とファジーさんと、ファジーさんに捕まっているレオナルド大佐の姿が…
ロイ「ハッハッハ!貧弱なシリウス諸君!さぁ、俺様に感謝して上げ膳据え膳、盛大にもてなすがいい!」
ハヤテ「チッ…誰がテメーなんかをもてなすってんだ!」
シン「…ポンコツ船長。こちらのワインでよろしいでしょうか?」
ロイ「何だと?!このなんちゃって航海士!…まぁいい。俺様は心が広いか…」
―ガッ!
ロイ「フガゴッ…!!」
シンさんがロイ船長の口にワインのボトルを突っ込んだ!
シンさん、相変わらずやる事が大胆だな…。ロイ船長も調子に乗らなければいいのに。
レオナルド「クソ…何でまたこの私が海賊の宴なんかに…」
ファジー「レ・オ・様〜!今夜はアタイが相手だよー!」
レオナルド「やめたまえ!こら、抱きつくんじゃない!やめるんだ!」
ファジー「ブチューーー★」
レオナルド「ああーーーーっ!!」
…目を覆いたくなるような光景に唖然としていると、ミュミュちゃんが私にしがみついてきた。
☆☆「ミュミュちゃん、大丈夫?しばらくここに避難していようね。」
ミュミュ「メェ…」
ああ、可哀想に…ミュミュちゃん、とても不安そう。
何でこんな状況になったかと言うと…
+++++++++++++++++++++++
それは数時間前の出来事…。
私達はミュミュちゃんの怒りの鉄拳をくらって凹みながら帰って行くレオナルド大佐の背中を呆然と見つめていた。
レオナルド大佐の姿も見えなくなり、皆で宴の準備に取りかかろうとしていた時、「レオ様?!レオ様じゃないか!久しぶりだね〜会いたかったよー!」という聞き覚えのある声が聞こえた。
レオナルド「待て!待つんだ!こっちに来るんじゃない!」
ファジー「うっふ〜ん☆照れている顔も素敵だねぇ!」
レオナルド「来るなー!」
―ズドドドドド!
レオナルド大佐の尋常じゃない叫びに驚いていると、ミュミュちゃんを抱えたレオナルド大佐が凄い形相でこちらに走って来た。
レオナルド「☆☆さん!少しの間ミュミュちゃんを頼む!」
☆☆「あっ、はっ…はい!」
レオナルド大佐は私にミュミュちゃんを託すと凄い勢いで逃げて行った。
ソウシ「全く…相変わらず騒がしいね」
☆☆「あはは…そうですね」
私とソウシさんがクスクスと笑っていると、背後からまた聞き覚えのある声がした。
「弱小シリウスの救世主、ロイ様のおでましだぞー!」
…そう、ロイ船長だった。
☆☆「ロイ船長!」
ロイ「☆☆ーーー!」
☆☆「キャー!抱きつかないで下さい!」
ソウシ「…………。」
―ドカ!ベキッ!(関節技)
ロイ「ぬあぁぁー!」
ソウシ「…☆☆に近付くなと何度言ったら分かるんだい?」
ロイ「だっ、だって!☆☆は俺と結ばれる運命…」
ソウシ「…まだそんな事を言ってるのかい?☆☆は私の妻なんだよ…?」
―メキメキッ!(関節技その2)
ロイ「んぎゃーー!」
ソウシ「分かったかな?」
ロイ「わっ…分かった!分かったから離せ!クソッ!リュウガー!リュウガはどこだー!」
ソウシさんの華麗な関節技をくらったロイ船長は目に涙を浮かべながら船長室に駆け込んで、何やらギャーギャーと騒いでいる。
どうやらシリウスのメンバーが助かったのは自分のお陰なのに相変わらず態度が酷いと散々船長に泣きついていたらしく、船長は仕方なく今日の宴に参加させる事にしたらしい。
そして今に至るんだけれど…
ロイ船長は変わらず、皆にいじり倒されているのだった。
続く→