恋に落ちた海賊王
□舞踏大会再び!
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☆ソウシ恋人設定☆
「…と、いう訳だ。全員参加だからな!」
全員「………………。」
この船に乗って、早一年。
船長の急な思い付きに付き合わされるのもいい加減慣れたけど…
☆☆「…船長、すみません。もう一度、言って頂けますか?」
リュウガ「あ?どうした☆☆。もう耳が遠くなったのか?」
☆☆「いえいえ。まだそんな年じゃないです。私の聞き間違いかと思いまして…」
リュウガ「よし、よく聞け!次に寄る港で行われる舞踏大会に全員で参加する!」
☆☆「ぶ…ぶどう狩り…?!」
ソウシ「☆☆ちゃん、落ち着いて」
リュウガ「ハッハッハッ!去年は賞金取り損ねたからな!リベンジだ!」
☆☆「賞金…?」
リュウガ「どう見たってナギとトワのペアが優勝だったからな!今回もナギとトワはペアで決定だな。後は適当に決めろ」
あの…
突っ込み所が満載過ぎて、どこから突っ込めばいいのか…
私は目眩でクラクラする頭を片手で押さえながら隣にいるソウシさんに疑問をぶつけた。
☆☆「あの…舞踏大会って…ダンスの大会ですよね?」
ソウシ「うん、そうだよ」
☆☆「…ダンスって、男女ペアですよね?」
ソウシ「うん、そうだね」
自分でも馬鹿な質問をしていると思う。でも、私の中の疑問は膨らんでいくばかりで、ハヤテさんやシンさんの「何をまたアホな事を言ってるんだ?」と言いたそうな視線を浴びながら私は続けた。
☆☆「じゃあ、どうしてナギさんとトワ君がペアを組めたんですか?」
ソウシ「フフフッ。それはね…」
ソウシさんが私に内緒話でもするようにコッソリと私の耳元で囁いた。
ソウシ「女装したんだよ」
☆☆「……………………。」
なんですと?!
トワ君が女装…?!
でも…すっごく似合いそうだけどね…うん。(想像中)
…ん?ちょっと待てよ?
トワ君だけが女役じゃ、一組しか出れないけど…
まさか…
☆☆「あの、まさかトワ君以外にも女装した人がいたり…?」
ソウシ「うん、私だね」
☆☆「…………。」
ああ、やっぱりね…そうだよね…
この中で女装が似合いそうなのはトワ君を除くとソウシさんかシンさんだもんね…ハヤテさんも似合いそうだけど、動きが雑過ぎてドレス破っちゃいそうだもんね…
シンさんが大人しく女装する訳ないし…
…となると、やっぱりソウシさんだよねぇ…
ソウシさんが女装…
ソウシさんが…(妄想中)
うん、似合うわ。
ソウシさんってば、女の私より綺麗な顔してるもの。
ナギ「…おい。」
色白でお肌も綺麗だし…
ソウシ「えっ?!☆☆ちゃん?;」
きっと周りの男性は女装したソウシさんに釘付けだったんだろうなぁ…
―ビシッ!
☆☆「ふぁっ!?」
私が気持ち良く妄想ワールドに浸っていたら、シンさんに首の後ろを思いっきり水平チョップされた。
☆☆「な…何をするんですか!」
シン「ニヤニヤしながら鼻血出すな。気持ち悪い」
ソウシ「こら、シン!」
☆☆「…?!;」
いけない…私、今完全にスケベおやじモードに入っていた;
恋人の女装姿を想像(いや、妄想)して鼻血出すなんて、私の変態!これじゃ、ロイ船長の事言えないよ…
私は恥ずかしさで泣きそうになりながらポケットからハンカチを出して急いで鼻に当てた。
ソウシ「☆☆ちゃん、大丈夫?」
シン「コイツ、ドクターの女装…」
☆☆「だーーーーーっ!!;」
シンさん…
言いたい事は分かってるのよ。
でも今、それを言ってくれるな…!
私はシンさんの言葉を遮るように絶叫してしゃがみ込んでしまった。
リュウガ「ハッハッハッ!トワもソウシもなかなかイイ女だったからな!今年も女役決定だな!」
しゃがみ込んでいる私の頭上から船長の陽気な声が聞こえてくる。
…ん?
これって、全員参加だよね?
トワ君とソウシさんが女役で、プラス私が入るとして…
人数的に一人孤立するんですけど…
☆☆「あの…船長」
リュウガ「あ?どうした☆☆?」
☆☆「全員参加って事は船長も踊るんですよね?」
リュウガ「あー俺は監督だからな。お前らの踊りっぷりを見守っているのが役目だ!」
☆☆「はぁ…」
そういう事ね…
そうなると、私は誰とペアになるんだろう?
ソウシさんと組みたいけど、ソウシさんは女役だからなぁ…
ソウシ「じゃあ、早くペア決めちゃおうか。トワとナギは決定だから…あとは私と☆☆ちゃんとシンとハヤテだね」
ハヤテ「去年ソウシさんと俺ペアだったんだから、シンと☆☆がペアでいいんじゃね?」
シン「…あ?」(ギロッ)
☆☆「……………;」
あの…
何かすっごく睨まれているんですけど。
私だって、シンさんとはちょっと…
だって少しでも間違えた瞬間に撃たれそうなんだもん…
ソウシ「まぁ、ナギとトワは特別だけど、私達は去年の組み合わせにこだわらなくていいんじゃないのかな?」
ハヤテ「えーっ!でも俺、☆☆とは嫌っすよ!」
☆☆「ムッ…何でそんなふうに言われないといけないんですか!」
ハヤテ「おい、シン!やっぱお前☆☆と組め!」
☆☆「無視かい!」
シン「何故この俺がチンチクリンと踊らないといけないんだ」
ソウシ「こら、二人共!」
うわぁ…
酷い言われ様だわ…
しかもハヤテさんにまで…
シン「そもそも、お前踊れるんだろうな?」
☆☆「え…」
私ったら…
大切な事忘れてた。
私…
ダンスなんて踊った事ない…
ヤマトでも毎年のように舞踏大会が開かれていたのは知っていたけど、家が貧し過ぎて一番安いドレスすら買えなかったんだもん…
それに、舞踏大会に参加している時間があったら仕事して少しでも稼がないといけなかったし…
時間もお金も無かったんだもん…
踊りなんて、盆踊りくらいしか踊れないよ…
あ、あと阿波踊り…
…って違うだろ、私!
シン「百面相してないで質問に答えろ。踊れるのかと聞いているんだ。」
☆☆「ぼ…盆踊りと阿波踊りなら町内一で…」
―ビシッ!!(チョップPart 2)
☆☆「ぎゃんっ!;」
ソウシ「あぁ、また…;シン!」
シン「ダンスと盆踊りは別物だ!アホ!」
☆☆「…………(凹)」
ハヤテ「マジかよ、こいつ使えねぇー!」
…黙れ、金髪ウニ頭!!
この人には色々と言われたくないのに…
何、この屈辱!
もう…もうやだ!!
☆☆「うわぁあぁぁあん!(;o;)」
ソウシ「大丈夫!大丈夫だよ、☆☆ちゃん!練習しよう、ね?」
ソウシさんに優しく宥められながら私は悔しさと悲しさと絶望で泣きじゃくっていた。
続く☆