knight×Laurentia!
□Knight×Laurentia!
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「お前たちは、俺達"フラグメント"の罪まで共に背負うつもりなのか?」
ムッソリーニがそうフィアに問う。
"オリジナル"の罪はその"フラグメント"にしか償えない。
なのにフィアは蒼い瞳に強い光を宿して、
「それが、『仲間』というものだと思う」
とムッソリーニに言った。
…この少年は"俺達"の過去を知った上で俺達を『仲間』だと言うのか。
たとえ、俺達がどのような穢れた罪の欠片であっても?
「……そうか、なら見させて貰おうかな。
『仲間』だというヒトラーが目覚めさせて、
なおかつこいつと共に俺達ファッショと対立するのを」
ムッソリーニは相変わらず笑顔で、意識のないヒトラーをソファに優しく横たえると立ち上がり、窓辺に立つ。
「悪いけど、チアーノは暫く預かっててくれる?」
少年のような無邪気な笑顔を浮かべ、
眠っているヒトラーに手を振る。
…勿論、反応はないが。
「じゃあな、ディアロ城騎士団のフィア。
フラグメント・スターリン、そして――…ヒトラー」
この建物の近くを飛んでいた火竜に飛び移ると、やはり笑顔で、
「アンタたちの声が届けば、ヒトラーは目覚めるよ」
とだけ言って、本拠地であるエスピアーレ城のある方へ飛びさっていった。
他の火竜も一斉にそれを追って小さくなっていく。
今はやつらの本拠地の詮索より、
今だ眠っているヒトラーが心配だ。
先程のムッソリーニの言葉通りなら
きっと俺達の声を聞いて目覚めてくれる。
恐らくそう信じて、フィアは彼の白い手をずっと握っていた。