knight×Laurentia!
□Knight×Laurentia!
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(フィアさん視点)
「戻ったぞ」
扉を開けるとと案の定ルカが殺気を放っていた。
しかし入ってきたのが俺たちだとわかると、ソファから立ち上がり駆け寄ってくる。
「大丈夫か、何もされてないか?」
「あぁ、見れば解るだろう…」
べたべた触れてくるルカの手を叩き、アルの隣に座る。
袖から見えた抑制具であるブレスレットに触れた。
先程ヒトラー様の腕を触れることができたのは恐らくこのブレスレット――
――そして作ってくれたアルのお陰だろう。
「――フィア、」
何処となく曇ったヒトラー様の声に「何ですか?」と聞く。
何か不安なのか、恐怖を感じているのか、赤い腕章を握る手が震えてるのが見えた。
「――…なんでも、ない…」
曖昧に笑って誤魔化された気がした。
しかし自分は彼と出会ってまだ、日が浅い。
仲間といっても部隊も違えば、階級も違う。
それに俺はファッショにいた頃の彼をまったく知らない。
故に俺が余計なことを言って傷付けるということもあるかもしれない。